海風に吹かれる千葉のcoffee roasterです
 
coffee roasterです。
cafeではなく、珈琲豆専門店になります。


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◆ 珈琲教室をしていると、必ず聞かれるのが…
「どうしてcoffee domeが出来ないんでしょうか?」と云う質問です。
これ、明らかに技術不足の話ではないんですね。
Roaster:焙煎士側の問題や、珈琲豆を売る側の問題なのです。

趣味で生豆を焙煎した事がある方は、きっと「なるほど!」と思うでしょう。
珈琲豆にも鮮度があるので、この鮮度の問題に関して少しお話します。








『coffee domeって何?』
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◆ 生豆は焙煎すると、皆さんがご存知の珈琲豆になります。
焙煎した豆は、焙煎直後~2日間で勢い良く炭酸ガスを発生させます。
この時に鮮度が高いと思われる珈琲豆は、お湯を掛けると膨張するんですね。
理由は豆が膨張する事と、炭酸ガスを多量に放出するからです。

この炭酸ガスの発生は、焙煎してから数日間(ほぼ1週間~10日程)放出し続けます。
ですから、焙煎したばかりの豆は鮮度=炭酸ガスを多量に放出するんです。
そうなるとDripした時にcoffee dome(コーヒードーム)が当たり前に出来る…


Brazil Fazenda Kaquend
何度か書いた事もありますが、焙煎した珈琲豆には賞味期限や
消費期限が曖昧になっています。
なので、一概には駄目なものを売っているとは言い切れません。
鮮度的には古くなりつつあっても、それは珈琲豆と云う分野から
はみ出しているとは言えないのです。

尤も、焙煎直後の珈琲豆は粗っぽい泡を噴出させます。
鮮度は良いのですが、炭酸ガスを液化させエグ味に繋がりかねません。
coffee dome(コーヒードーム)が出来る豆や粉が良いのではなく
そうしたデメリットも実際にはあるのです。








『coffee domeの成分は何か?』
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◆ このcoffee dome(コーヒードーム)の成分は
何で出来ているのでしょうか?
一見、画像や写真や動画で観ると美味しそうに見えますよね。
けど、これって何の成分でしょうか…

先程も申した通り、これは炭酸ガスの泡です。
でも、それだけではないのです。
珈琲豆には種子としての油分があります。
これはcoffeeの香りの素になっているoilですね。
俗に言う〝coffee oil〟と呼ばれています。

炭酸ガスの泡だけではなく、coffee oilも同時に出てきます。
そして、もうひとつの成分が〝タンニン〟です。

タンニンは苦味が強く、エグ味に繋がってます。
一見、白い泡になっているので美味しそうに見えますが
かなり苦かったりエグかったりするので、見た目よりも嫌な成分です。

ザッと触れてみただけですが、こういうものがcoffee dome(コーヒードーム)を
構成している成分なのです。
膨らんでいるうちは良いですが、これがサーバーやカップに落ちると
Paper dripなのに雑味の強いcoffeeになるんですね。









『coffee domeの出来易い環境』
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◆ 簡単に説明すると、幾つかの環境が整えば誰でもcoffee domeは作れます。
と云うよりも、こういう状態は寧ろ当たり前なのでしょうね。


・珈琲豆の鮮度が良ければ誰でも粉が膨らんでくれる

・なるべくなら、焙煎した豆のまま管理する方が粉が膨らむ

・Roast具合が深いほど、炭酸ガスをゆっくり長く放出している

・常温管理の場合、なるべく涼しい所で珈琲豆を管理する(高温多湿は厳禁)

・ミルやグラインダーで挽いたら、なるべく速くDripする

・Dripする時の湯温が80℃以上ならば元気良く粉が膨らむ

・蒸らしの状態の時、お湯を粉に載せ過ぎなければOK

・Drip時に、細くお湯を注ぐ事が出来ればcoffee domeは維持できる

・メッシュ(豆の挽き具合)が細かいほど、coffee domeは出来易い



・出回ってる写真は、殆どが20g超えの写真なので実際には1杯分ではない

・お店では膨らんでも、購入した豆は膨らむ事は少ない

・お店の豆は焙煎し立て、販売用は古くなった豆が多い


※このような環境下なら、殆どcoffee domeが出来ると云って過言ではないです。
 寧ろ、この環境を作っていながら出来なかった場合は何かのミスでしょうけど。

 また、珈琲豆の保存の仕方で酸化が早く進んでアウトになる事も。









『クリーンなcoffeeを目指す為のdome』
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◆ coffee dome(コーヒードーム)とは、cleanなcoffeeにする為の
ただの目安に過ぎません。
豆や粉の鮮度が良ければ自然と膨らみます。
その膨らんだ粉にお湯を注ぐと、灰汁が浮いてきます。
この灰汁が炭酸ガスの放出であったり、coffee oilやタンニンです。


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その不純な部分を取り除く作業が、灰汁を沈めない為の努力…
つまり、cleanなcoffeeを目指す為のDripとなるのです。
その作業の工程のひとつが〝coffee dome〟になってるに過ぎません。

透過法(POUR OVER)では、いかに灰汁を除去するか?が課題になります。
それはエグ味のない、綺麗なcoffeeにする為に。
俗に言う〝clean cup〟です。

coffee domeとは、その通過点に過ぎないのです。






店主





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・『珈琲豆の保存容器

・『珈琲豆、通販の注意事項


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